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林檎と本  今日の名言

人たちのあたたかなもてなし
    宮本常一「すばらしい食べ方 1 味噌ブタ」

あの味のよさは、味そのものがよかったばかりではなく、そこに住んでいる人たちのあたたかなもてなしにもあったので、近頃のように味そのものだけが問題にされる味のよさとは違ったものであった

宮本常一は1907年、瀬戸内海の島、山口県周防大島に生まれた民俗学者。小学校の先生をしながら各地で古老の話を記録に残した。
「忘れられた日本人『子供をさがす』」にはこういう文章もあります。

近所のテレビを見に行ったことを叱られて姿をかくした子供を、手わけしたのでも申しあわせたわけでもなく、村の人たちがそれぞれの心当りを探してくれる。目に見えぬ村の意志のようなものが動いていて、だれに命令せられるということでなしに、ひとりひとりの行動におのずから統一ができているようである。