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楽譜   演奏会見聞録

03年11月9日

加川良 LIVE with すぎの暢

衆議院議員選挙の日、自転車で投票所に行きその足で会場に向かいました。2年ぶりの加川良です。
前回は懐かしの村上律のスライドギター付きでしたが、今回は若い名古屋のスライドギターすぎの暢(のぶ)が一緒です。
すぎの暢のソロでジミヘンドリックスばりの即興風のギターソロに続いて、Tシャツでギターをかかえて加川良登場。1947年11月21日滋賀県彦根市生まれ、56歳目前、まだ元気。

1曲目は「高知」テイチク・ブラックレーベル発売の幻のアルバム「南行きハイウェイ」からの曲です
(1976年7月テネシー州メンフィスでの録音は知る人ぞ知るアル・グリーン最盛期のレコーディングのメンバー、メンフィスリズムズ・メンフィスホーンズのバックアップによるもので、今どきのポップ音楽では考えられない、生きたリズムが地から生えてきたといった演奏です。このあと発売された「駒沢あたりで」とともにほとんど売れなかったらしく、80年には手に入らなくなりました。CDで一度だけ発売され、それも今はマニアの間で出回るのみです)
あいつの住んでる高知へ行こう/そこでは君も唄い出せるよ/土の香りに森は目を覚まし/朝日は草の中から顔を出す

2曲目も「南行きハイウェイ」から「アラバマ」
蹄鉄を打ちならす音が遠くまで/響き渡るアラバマ/貨物列車にゆられゆられて/ここまでやって来た

3曲目は「プロポーズ」(81年)から「コスモス」
あたい コスモス/この身うらんだことはない・・・冬に開く花あれば/夏の日射しにもえる花/垣根の中で咲く花や/野辺に揺れる花もある/小川の夢のささやきを/聞いて眠る花がある/海鳴りを見おろして/ふるえ祈る花もある

4曲目「2[tu:]」(93年)から「オーマイ ダーリン」ハーモニカあり。5曲目「アウト・オブ・マインド」(74年)から「かかしのブルース」。ここまでがリハーサルと照れながらここで休憩。

すぎの氏のソロで3曲、浜辺の歌・里の秋のメロディーが出てきた。
汗をかいたTシャツを替えて再登場。ここからは本人のみの独演。本番とのこと。

6曲目「ONE」(91年)から「冬の星座」
涙の糸をたどってゆけば いつもそこは/あんたが生まれた冬の星座よ/なみなみついだグラス抱いて 頬よせれば/海鳴りの声 さらわれそうよ

7曲目「親愛なるQに捧ぐ」(72年)より「こもりうた」
お天道様がぼくをさそってくれた/なつかしい唄を ささやいてくれた/耳もと かすめて通る そよ風を見た/風が唄う時 心はゆらぐ//僕は さすらいの児/気ままな 風さ/だから そう僕は/さすらいの児でいよう

ここですぎの氏再登場。最新アルバム「USED」の宣伝。「一般発売はされてません。この場所でだけ販売しています。今日やっているそのままで。ですから今日ここにいる方は買う必要はありません。」

8曲目「駒沢あたりで」(78年)から名曲「オレンジ・キャラバン」
暗くて重い夢の中 座り込んでさまよっている/行くあて定まらず こぼした時間はもどらない/でもそうは長くかからない あいつが手助け来てくれるまで/相棒達がやってくる 出かける用意はできている

9曲目「小さな宇宙の横に」初めて聴く曲。作詞・作曲:犬塚康博。
星降る丘から坂道を・・・6月初めて君と帰った・・・12月新しい窓灯り・・・探していた小さな宇宙の脇に君は今立っている

10曲目「アウト・オブ・マインド」(74年)から「ラブ・ソング」
北の果てから南の街へ ほっつき歩いて/なんといわれようと やめられないんだ//住んでみたくなるよな 街もあったけど/いつも季節変われば それまでだったよ//あのレールのずっと向こう どこまで行けるのかね/ほんとこの先僕は 何をすればいいのかね/落ちつかないんだ//夜汽車のうす灯り 夜空を駈けて行く/どこか知らない街で 流れ星になるといいね//あのレールのずっと向こう どこまで行けるのかね/ほんとこの先僕は 何をすればいいのかね/落ちつかないんだ//北の果てから南の街へ ほっつき歩いて/なんといわれようと やめられないんだ//あの夜風でさえもきっと 誰かに恋してる/いつになったら僕は 君を好きだと言えるのかね//あのレールのずっと向こう どこまで行けるのかね/ほんとこの先僕は 何をすればいいのかね/落ちつかないんだ

ここまでずっと座って演奏していたすぎの氏が立ち上がって伴奏を始める。
11曲目「駒沢あたりで」(78年)から「女の証し」-「USED」から「幸せそうな人たち」作詞・作曲:犬塚康博
いつまで さみしい女を/気取っていましょうか・・・フーテンだって 泥棒だって/眠ってなんていないのよ/ただ少し横になって/新しい唄 おぼえているのよ(女の証し)

若い頃は ただそれだけで/すべてが 許されて/過ちさえも 美しく/我が儘であれば あるほどに//幸せそうな 人たちが/12月の灯りの 下にいる/生まれたときから ぼくたちは/滅びてゆく道の 上にいる(幸せそうな人たち)
9曲目から11曲目まで感動してうるうるしてしまいました。

12曲目最後の曲ということで、唯一のヒット曲? デビューアルバム「教訓」(71年)より「教訓I」
命はひとつ 人生は一回/だから 命を すてないようにネ/あわてると つい フラフラと/御国のためなどと 言われるとネ
このご時世にぴったりだなんて、いやなご時世だもんだ。

アンコール
13曲目「やぁ」(73年)より「精一杯」
これだけ今日は がんばりましたと/陽は暮れていきます/これだけ今日も 歩きましたと/僕は僕で一人言・・夕焼け空は 何色でしょうと/首をかしげて 見つめるよりも/ながめていれば しあわせでした/で あんたも 僕も 精一杯//なぞなぞばかりの この世なら/たずねる人も 答える人も/みんなとっても 正直者でした/あんたも 僕も 精一杯

14曲目「2[tu:]」(93年)から「胸にあふれるこの想い」(作詞:エド、加川良)
胸にあふれる この想いを/どうしておまえに 伝えよう/風が激しく 吹く夜は/胸の想いは ますばかり・・・すべて捨てた その時は/おまえ強く つよく 抱きしめて/はなしてあげよう 幾年月/さまよい歩いた その訳を

観客約30名。御同輩数名、ほかは20代といった感じで、受け継がれていく嬉しさといいますか、伝統芸能の良さを楽しんできました。

kagawa03

2003年11月9日日曜日19:00開演
福島市太田町 プレイヤーズカフェ
U-ONE MUSIC presents
加川良 LIVE with すぎの暢